第929回MS 和木町文化財保護審議会 会長 正中 克磨氏
テーマ:「史料で読み解く 江戸留守居役のお仕事」
講話は、申神正子先生から紹介いただいた正中克磨氏でした。40年近く江戸時代を中心に古文書を読まれているそうで、今回は資料から解かる岩国藩江戸留守居役のビジネススタイルについての講話でした。治外法権がある大使館とも云うべき江戸屋敷の上屋敷・中屋敷・下屋敷の役割、そこに務める江戸留守居役の大きく5つの役割について説明をしていただきました。その最大の職責は、藩(大名)の家格を死守することだったそうです。
寛政9年(1797年)江戸屋敷で本家への暑気献上品腐敗事件があり、贈呈品(魴(ほうぼう)粕漬と塩鮑)が腐敗した原因を淡々と調べ、肯定確認として相手を叱責せず、江戸藩邸で起こった不祥事を大坂屋敷・岩国藩へ文書で報告、情報を共有していたことを古文書から知ることが出来ました。江戸留守居役の仕事を通して、現代の私達に教えてくれるヒントが数多くあることが分かりました。
参加者17社18名(当該単会16社17名)